キャッシングにはカードローンのような金融業者からの融資を受けられるものと、クレジットカードのキャッシング機能の2種類があります。その違いがいまいちわからないという人、多いのではないでしょうか。
- なぜクレジットカードでお金が借りられるの?
- どうすればクレカキャッシングを使えるの?
- 金利が低いのはどっち?
- クレカキャッシングにデメリットはないの?
ここではそんな疑問を解消するために、クレジットカードでのキャッシング機能を中心に、その基礎知識やメリット、デメリットなどについて解説します。カードローンとの違いについても説明しますので、上手に使い分けるための知識を身につけてください。
クレジットカードのキャッシングとは
社会人なら、クレカの1枚くらいは持っているかと思います。最近は銀行のキャッシュカードにクレカ機能がついているものも多く、給料前の金欠状態を回避したり、大きな金額な買い物をするときに使ったりと、とても便利ですよね。
そんなクレジットカードですが、利用明細を見て「キャッシングご利用枠」と書かれていて、これはなんだろうと不思議に思った人もいるのではないでしょうか。実はクレジットカードには次の2つの機能があります。
- ショッピング機能
- キャッシング機能
ショッピングは言うまでもなく、買い物などに利用するための機能です。カードの支払日に1ヶ月の利用分をまとめて銀行口座から引き落とします。キャッシングは物を買うのではなく、お金を借りるための機能です。
例えば、小さなお店でクレカ払いができないようなときは、現金支払いになりますよね。そんなときに現金の持ち合わせがなく、給料日前で銀行にもお金がないと、商品の購入やサービスを受けることを諦めなくてはいけません。そんなときに現金を借りて、支払いに充てるような使い方をします。
クレカの申し込みをするときに利用枠を設定するのですが、ほとんどの人がそのことについて忘れています。そのため、「知らないうちに利用枠が設定されていた」と思うのですが、すでに利用枠がある場合は、申し込みをする必要なくお金を借りることができます。
クレカキャッシングの金利は?
お金を借りるときに、気になるのは金利ですよね。金利は低ければ低いほど、支払う利息が小さくなりますので、同じ借りるなら低金利な金融業者低金利な金融業者から借りたいところです。
クレジットカードのキャッシングは、利用枠が設定されていればとても簡単に借りることができます。これで低金利なら言うことないのですが、実際のところ金利はどれくらい金利はどれくらいに設定されているのでしょう。
金利は利用する会社によって違いますが、ほとんどのケースで18%です。15~18%になっているようなケースもありますが、15%の金利で借りられるのは100万円以上を借りるような場合のみで、100万円に満たない場合は18%に設定されます。
お金を借りるときの上限金利は、利息制限法により下記のように定められています。
- 10万円未満:20%
- 10万円以上100万円未満:18%
- 100万円以上:15%
すべてのクレカが上限金利で融資をしているわけではありませんが、上限金利以下で融資をしてくれることはほとんどありません。クレカでお金を借りるときは最大金利でお金を借りることになると覚えておきましょう。
利用するための申し込みも簡単で、すぐにお金を借りることができるクレカキャッシングですが、金利面で考えると、正規の金融業者の中では最も不利な条件でお金を借りることになります。
クレカキャッシングの申込方法と借入方法
それでは実際に、申込の方法や借り入れ方法について紹介しますので、これから利用しようと考えている人はチェックしておいてください。
申込方法
クレカキャッシングをするためには、申し込みをしなくてはいけません。申し込みを行っていないクレジットカードは、ショッピング以外で使うことができません。一般的にはカードを作るときに利用枠を設定しますが、カードを作った後からでもキャッシング枠を作ることが可能です。
申し込みを行うと、カード会社が融資可能かどうか審査を行います。審査はそれほど厳しくないと言われていますが、大手消費者金融と同じくらいの難易度はあります。
ただし、クレジットカードの審査に通過している時点で、ある程度のステータスが保証されていますので、消費者金融のように半数近くの人が審査落ちするということはありません。融資可能額も最初は10~30万円ですので、クレジットカードを作れるステータスがあれば、審査のハードルはそれほど高くはありません。
借り入れ方法
借り入れは提携しているATMから行います。銀行やコンビニのATMなら、ほぼどこからでもお金を借りることができます。ATMの操作方法は銀行カードと同じです。カードを入れて、暗証番号を入力し、利用限度額の範囲内で金額を入力すればすぐにお金を借りることができます。
ATMを利用しますので、金利の他にその利用のための手数料も発生してしまいます。1万円を借りて108円の手数料が発生すると、1.08%もの利息を払ったのと同じことですので、少額で何度も借りると損するということを覚えておきましょう。
クレカキャッシングの返済方法
ショッピングでクレカを使った場合は、毎月決まった日に一括で返済をします。キャッシングの場合も、原則としてはショッピングでの返済日にまとめて請求され、銀行口座から利息と一緒に引き落とされます。
分割払い設定をしていなければ、返済は借りた金額を一括で返済します。カードローンの場合は、自動的に分割での返済になるため、月々の返済は楽になるのですが、クレジットカードはまとめて請求されますので注意しましょう。
原則としては、決められた返済日に請求されると説明しましたが、ほとんどのカードが、返済日前にATMやインターネットを利用した返済が可能です。金利は日割りで掛かりますので、できるだけ短期間で返済したほうが、利息が小さくなります。
金利が18%で10万円を借りたとすると、1日あたりの利息は約49円です。たった49円と考えるか、49円にもなると思うかは、人それぞれ違うかと思いますが、49円でも30日あれば1500円近い利息を払わなくてはいけません。
少額な借入の場合は、わざわざ早めに返済するメリットはそれほどありません。とはいえ、早く返済すれば利息は確実に小さくなります。手元にお金があるなら返済日までまたずにATMやインターネットから返済するようにしましょう。
クレカキャッシングのメリット
クレカキャッシングは金利が高く、お金を借りる方法としてはメリットが少ないように思えますが、もちろん他の金融商品にはないメリットがあります。代表的なメリットとしては次のようなものがあります。
- 利用枠を設定しておけばいつでもお金を借りられる
- ATMやインターネットで簡単に利用できる
- 海外で利用できる
クレカでお金を借りる最大のメリットは、融資まではとても早いということです。利用枠を事前に設定しておく必要がありますが、クレジットカードを作るときに利用枠を設定しておけば、再審査を受けることなくすぐに融資を受けられます。いま必要なお金をいますぐ借りられるというのは、他の金融商品にはないメリットです。
また全国各地にあるATMでお金を借りることができますし、スマホから銀行口座へ入金することもできます。いつでもどこにいてもお金を借りられるという安心感も特徴のひとつです。
そして意外と知られていませんが、海外でもキャッシングできるというメリットがあります。海外のATMを操作しなくてはいけませんが、両替のできない街でも簡単に現地の通貨を手にすることができます。
帰国後すぐに返済すれば、利息もそれほどかかりませんので、現金を両替するよりも手数料が低くなることもあります。旅行慣れした人がよく使うお得なテクニックですので、機会があれば試してみましょう。
クレカキャッシングのデメリット
メリットもあればもちろんデメリットもあります。ここまで紹介したものも含めて、デメリットについてもまとめて紹介します。
- 金利が高い
- 借りられる金額が少ない
- ローンを借りるときに不利になる
まず、何よりも大きなデメリットは、金利がとても高いということです。ほとんどのケースで、法律により定められた最大金利でお金を借りることになり、返済時には大きな額の利息を支払います。クレカキャッシングの金利は、金融商品の中で最も高金利です。
そして、次に大きなデメリットは利用限度額が少ないということです。利用限度額の目安は年収の1割くらいです。ステータスによっては、それ以上借りられることもあるのですが、若い人の場合は、利用限度額が10万円くらいに設定されることもあります。
何度も利用していると、信用が増えるため利用枠も上がっていきますが、それでも100万円のような大きな金額を借りられるケースはまれです。
クレジットカードでキャッシングをしていると、他のローンでお金を借りるときの融資額に影響があります。詳しくは後ほど説明しますが、住宅ローンの審査を受けられなかったり、カードローンの審査で、希望融資額での融資を受けられなかったりすることがあります。
カードローンとのうまい使い分け方法
手軽に無担保でお金を借りることができる金融商品として、クレジットカードのキャッシングの他に、カードローンがあります。これらを混同している人もいるようですが、似ているようで実は便利な使い方が違います。
共通点は、事前にカードを作っておけば、どちらもすぐに融資を受けられるということです。利用するためには、審査を受けなくてはいけないことも同じです。
両者の違いは2つあります。
- カードローンは分割返済で、クレカキャッシングは一括返済
- カードローンは商品によっては低金利
最大の違いは返済方法です。カードローンは分割返済が基本ですので、完済するまでの時間がかかります。そのため返済までに支払う利息が多くなってしまいます。ただし、高額な借入の場合は、無理なく返済できるというメリットもあります。
一括で返済できる金額の借り入れは、クレカでの借り入れがおすすめで、一括で返済できそうもない金額の場合は、カードローンを選びましょう。
ただし、カードローンは低金利の商品が多く、返済期間が長くても返済総額がそれほど膨れ上がらないこともあります。上手に使い分けるためには、それぞれの返済総額をシミュレーションして、利息の総額が少なくなる方から借り入れしましょう。
キャッシングの枠はローン審査に影響する?
クレジットカードでショッピングをしても、他のローン商品への影響はありませんが、クレカキャッシングの利用枠は、ローンでお金を借りるときに大きく影響するということは、デメリットのところでも紹介しました。これについてもう少し詳しく解説します。
貸金業者からの融資は総量規制といって、年収の1/3までしか借してはいけないというルールがあります。銀行などは総量規制の対象外ですが、独自の規制としてほとんどの銀行でも年収の1/3くらいを貸付限度額に設定しています。
それ以上の貸し付けは、貸し倒れになるリスクが高いためです。
年収が450万円の人の場合は、融資できる金額は150万円です。クレカキャッシングですでに50万円借りていたら、ローンで借りられるのは100万円までです。このとき150万円の融資を依頼すると、金額が大きすぎるので審査落ちするか、融資額の減額を求められます。
また、頻繁に利用枠を使っている場合は、住宅ローンのような大きな融資を断られる可能性がとても高いので気をつけましょう。生活資金に困っている人と判断されるためで、住宅ローンを借りる場合には、完済してから申し込みをしてください。
ちなみに利用枠があるだけでは、ローン審査に影響はしません。実際に借りていたり、頻繁な取引履歴があったりするときだけ、審査に影響すると考えてください。
まとめ
とてもお手軽に、お金を借りることができるクレジットカードのキャッシング。カードローンなどと比べると融資額も少なく、金利が高いというデメリットはあるものの、審査のハードルもそれほど厳しくないため、ちょっとしたお金を借りるときにはとても有利な借り方のひとつです。
カードローンは分割返済でお金を返しますが、クレカで借りた場合は原則として一括返済です。どちらも手軽にお金を借りることができますが、カードローンのほうが低金利の商品も多く、融資限度額も大きいため、大きな金額の融資にはカードローンが適しています。
クレジットカードでキャッシングを行うと、そこで借りたお金は総量規制の対象となり、他の貸金業者からお金を借りるときの借入額に影響します。住宅ローンの場合は、お金に困っていると判断され、ほとんどのケースで審査落ちするか、審査を受けることもできません。
利用枠があるだけなら問題はありませんので、ローン審査を受ける前には完済させておくことだけ気をつけてください。
多くの人が手持ちのクレカに利用枠があるかと思います。その場合は、改めて審査を受けることなく、すぐに全国のATMからお金を借りることができます。緊急時の融資にはとても便利な機能ですので、上手にカードローンと使い分けをしましょう。