まず、この記事を読んでいる方の中に、今日まさにキャッシングの返済を延滞してしまった、という方もいらっしゃるかもしれません。延滞をすると、延滞をしたという事実が金融会社に記録され、融資が受けられなくなります。それだけでなく、個人信用情報機関にも延滞したという事実が記録されてしまう恐れがあります。いわゆる異動情報、ブラックと呼ばれるものです。

この記事では、滞納をしてしまった時の対処法やその後の流れを解説しています。

ブラックになると、今延滞をしているキャッシング会社だけではなく、他の会社のキャッシングも借り入れができなくなります。それだけでなく、新規の申込は審査に落ち、他の様々なローン(自動車ローンや住宅ローンなど)も組めなくなります。ショッピングで用のクレジットカードも使えなくなるなど、大変なことが起こります。しかもそれが最長で5年間も続くのです。

一日だけの延滞なら、と思うかもしれませんが、延滞は一日でも延滞です。金融機関によっては理由を伝えると期日を少し延ばしてもらえます。金利だけの入金で返済とみなされる場合もあるので、すぐに金融機関に連絡を入れましょう。

連絡せずの滞納が一番危険です。まずは支払いが遅れたことを金融機関に謝罪し、支払いの相談をするようにしましょう。

はじめに:キャッシングを延滞したらどうなる?!

キャッシングをしたら、その後は毎月コツコツと返済をしていくことになります。毎月計画通りに返済ができればよいのですが、不慮の事態で延滞しそうになる場合もあるかもしれません。

実際にキャッシングの延滞をしたらどうなるのでしょうか?また、延滞をしそうになったらどうすればいいのでしょうか?

キャッシングの返済期日を過ぎても返済をしなかった場合、実際にどのようなことが起こるのでしょうか。順を追って見ていきましょう。

遅延損害金が加算され始める

期日の次の日から「遅延損害金」が加算されるようになります。遅延損害金については後の項目で詳しく説明します。

携帯電話に連絡が入る

延滞をするとまず携帯電話に「返済がされていませんが、どうしましたか」といった旨の電話があります。いつ返済予定なのかを確認されます。

自宅に連絡が入る

携帯電話で連絡がとれない場合は自宅の番号にも電話がかかってきます。かけるときは会社は名乗らず、担当者個人の名前を名乗って電話をします。そのため家族が電話が出ただけでキャッシングがバレることはありませんが、不審に思われる恐れがあります。

ハガキや封書で通知が発送される

電話で連絡が取れないと、ハガキもしくは手紙が発送されます。手紙の差出人には会社名が書かれておらず、キャッシング会社とは分からない別の社名が描いてあったり、担当の社員の名前が書かれていたりします。

見ただけではキャッシングの延滞の通知とは分かりませんが、開封すると支払いが遅れている旨が書かれていますので、もし家族が開封すればキャッシングを延滞していることがすぐにバレます。

また、延滞から1ヶ月〜2ヶ月ほどでブラックリスト状態になります。個人信用情報に延滞の情報が登録されてしまいますので、他社での借り入れは一切できなくなります。

さらに滞納が続くとどうなる?

電話や手紙が来てもずっと無視を続けていると、一体どうなるのでしょう。

一括で支払うよう請求が!

3ヶ月ほど返済を行わないでいると、会社から一括で返済をするようにという督促状が届きます。キャッシング会社は通常分割で返済を行えますが、返済を長期延滞すると分割で支払うことができなくなるという約束になっているからです。これを「期限の利益喪失」と呼びます。請求書は内容証明郵便という、内容の控えが残る郵便で届きます。

それでも無視すると裁判をされる

一括での返済を無視すると、金融機関から裁判を起こされる恐れがあります。裁判を起こされると「○月○日に出廷しなさい」という口頭弁論への呼出状が裁判所から届きます。

裁判も無視すると差押へ

裁判所からの書面の内容に応じなかった場合、キャッシング会社側の要求を全て飲んだということになり、「仮執行宣言」という差押の予告ともいえる書類が届きます。さらにこれを無視すると、財産や給与などを強制的に差し押さえる「強制執行」へと移ります。

職場に借入がバレる

給与所得がある場合、給与の4分の1を差し押さえられます。給与の差押には勤務先へ連絡が入りますので、勤務先にキャッシングが知られてしまいます。

いかがでしょうか。無視をしていれば踏み倒せる、と考えている方も中にはいるかもしれません。しかしずっと無視をしていると、裁判所に訴えられ、職場に借入がバレます。単に借入が知られるくらいならまだいいかもしれません、返済をしていなかったということもバレてしまいます。良いことは何一つありません。借金を放置するのはやめましょう。

信用情報への影響は?ブラックになったらどうなる?

先ほど延滞をするとブラックリスト状態になると述べましたね。個人信用情報になんらかの金融事故情報(延滞など)が登録されると、いわゆるブラック状態になります。数日の延滞だけではブラックにはなりませんが、長い期間延滞したり、何度も延滞をするとブラックになる危険性があります。
(信用情報に登録するのは金融機関側なので、会社によって基準が異なります。)

ブラックになると具体的にどうなるのか、イメージしにくい方も多いのではないでしょうか。信用情報に異動情報が登録されてブラックリスト入りすると、生活を送る上で非常に不便になります。

キャッシングが一切できなくなる!

ブラックになると、他社も含めたキャッシングが一切できなくなります。今まで使っていた会社はもちろんのこと、これから申し込みをする会社も審査に通りません。

カード、ローンも全部ダメ

個人信用情報のブラック情報は銀行やローン会社も参照します。そのため、お金を分割で支払う商品は全てダメになると思ってください。銀行の各種ローン、住宅ローンは組めなくなりますし、高めのものを分割で購入することもできません。身近なものだと、スマートフォンを分割で購入することもできなくなります。

延滞のブラックは長くても5年

個人信用情報で事故情報が登録されると、ローンが組めなくなるので生活がとても不便になります。しかしブラックが記録されているのは最長で5年。あくまでも最長でですので、これより早くブラックが消える可能性もあります。ブラックが消えればまたキャッシングなどができる可能性があります。しかし、いつまでも延滞を続けてもブラックリストから名前は消えません。問題が解決してから5年後に消えるという意味なので、まずは延滞している状態を解決しなければいけません。

延滞のデメリットはブラックになることだけではありません。延滞をすると遅延損害金がかかります。

遅延損害金ってどれくらいなの?

延滞をすると遅延損害金が発生します。滞納したときに発生する賠償金のようなものです。法律では遅延損害金は20.0%までと決まっているので、ほとんどのキャッシングでは遅延損害金は20.0%に設定されています。借りている額にもよりますが、20.0%は決して安い額ではありません。具体的にいくらぐらい取られてしまうのか、実際に計算をしてみましょう。

実際に計算をしてみよう

一日あたりの遅延損害金は以下の計算式で求めることができます。

借入金額×遅延損害金利率÷365(日)×延滞日数

いくつか具体例を挙げて説明していきましょう。

50万円を借りて遅延損害金が20.0%かかったとき
50万円×0.2÷365日=274円

1ヶ月の場合は、
50万円×0.2÷365日×30=8,219円

一日程度なら小さな金額ですが、1ヶ月となるとかなり金額が大きくなりますね。1ヶ月くらい…と甘く見てはいけません。ただでさえ生活が苦しくて借金が返せていない状況なのに、1日274円ずつ借金が増えると考えると、到底返済ができるとは思えませんよね。対策をせずに延滞を続けても、借金が増えていく一方です。「このままでは払えない」となった時にどんな対応をすればいいのか、次章でまとめました。

支払いが遅れそうになった時はどうするべき?

毎月きちんと返済を行えればよいのですが、人生は何があるか分かりません。出費が重なり、今月は返済が難しいかも…ということになる可能性はゼロではありません。

延滞をして督促の連絡が入ったり、ブラックになったりするのは嫌ですね。延滞をしたときのデメリットを最小限に抑える方法をお教えします。

遅れることをキャッシング会社に連絡しよう!

返済が遅れる場合は、キャッシング会社に必ず電話をしましょう。自分から電話をするのは怖い、と考える方もいるでしょう。しかしキャッシング会社はそこまで怖くありません。いきなり怖い雰囲気の社員が電話に…というのは昔の話で、今はそんなことは絶対にないので安心してください。

電話をしていつ返済できるかを伝えておくことで、督促が来なくなるというメリットがあります。キャッシング会社は、返済を約束した日までは督促を一切行わないためです。

利息分の入金でもOKな会社も

毎月の返済金額は約定で決められていますが、キャッシング会社によっては、利息分の支払いをすれば期日を翌月に更新できるというケースもあります。遅れそうな時は連絡をし、相談をしてみるのが一番です。

遅延損害金は取られることに注意

期日を伸ばしてもらっても、遅延損害金は本来の期日の翌日から計算されます。早めに返せるようなら返しましょう。

連絡をすれば最低限の返済でもOKだったり、返済を待ってもらえたりしますので、不安な時は電話などで連絡をしてみることをおすすめします。

しかし、返済は何日でも待ってもらえるというわけではありません。

どれくらい遅れたらアウトなの?どれだけ待ってもらえる?

キャッシング会社は期日を延ばしてくれますが、ずっと待ってくれるわけではなく、限度があります。

期間は利用者によってさまざま

消費者金融や銀行系カードローンなど、キャッシングを扱っている会社は期日の延長を行っていますが、はっきりと「○日までならOK」という基準があるわけではありません。

一般的に30日間程度が目安

実際に延ばしてもらえる日数は30日程度であることが多いようです。約一ヵ月後、次の給料日です。30日までなら絶対に延ばしてもらえるというわけではなく、「この日なら給与が入るから」というようなちゃんとした理由がないといけません。ただなんとなく先延ばし、では延長はしてもらえないので注意しましょう。

実際の取り立てはどんな感じ?

取立てというと怖いイメージを持つ方も多いでしょう。しかし今は取り立てについては法律で厳しく規制されていますので、威圧的な取立ては行っていません。

時間帯と回数、取立て先は?

時間帯は法律で午前8時〜午後9時までと決まっています。回数は3回程度、朝・昼・晩に電話をする会社が多いです。最初は携帯電話に連絡をし、どうしても繋がらない場合は自宅に電話をし、書類を送付します。会社によっては勤務先に電話をかけるケースもあります。

昔は自宅訪問も行っていましたが、訪問にも交通費などのコストがかかるため、行っていない会社も増えてきています。

まずは携帯電話に連絡が入る

延滞をして一週間程度までは、女性社員が携帯電話に連絡を入れます。会社にもよりますが、延滞からしばらくすると男性社員が電話をかけてくるようになります。携帯電話がつながらない場合は自宅に電話が入ります。

消費者金融の場合はいきなり社名を名乗らず、個人名を名乗って電話をかけます。消費者金融は社名だけでキャッシングがバレるので、万が一本人以外が電話に出たときに備えているのです。銀行は最初から社名を名乗るケースが多いです。

何を聞かれるの?

連絡があると、延滞していることを伝えられ、以下のことを質問されます。

  • なぜ遅れたのか
  • 返済できる目処はあるのか
  • 支払い予定日

支払い予定日を約束すれば、その日まで督促はありません。支払いについて相談があれば応じてくれますので、気になることがあれば質問をしてみましょう。

まとめ:遅れそうなときは連絡を入れよう!

ここでは、キャッシングを延滞するとどうなるか?について説明をしました。最後に要点をまとめましょう。

延滞を放置すると大変なことになる!

キャッシングの延滞を放置すると、遅延損害金がかかり、督促の連絡があります。それさえも放置して返済をしないでいると、裁判を起こされたり、給与が差し押さえられて職場に借り入れがバレたりします。

ブラックのデメリットは大きい!

何度も延滞をしたり、長い間延滞をしたりすると個人信用情報機関に情報が登録され、ブラックになります。一度ブラックになると最長で5年はキャッシングやローンが使えなくなります。非常に不便ですので、延滞の放置はやめましょう。

延滞しそうな時は必ず事前相談を!

延滞をするとキャッシング会社に怒られる、怖い、というイメージを持つ方も多いですが、そのようなことはありません。相談をすれば親身になって話を聞いてくれるはずです。

延滞しそうなときは金融機関に連絡をしましょう。金利だけの支払いで期日が更新されることもあります。また、はっきりとした理由があれば期日を延ばしてもらえるだけでなく、約束の日までは督促の連絡が来なくなります。