私達が普段耳にする「キャッシング」には2つの意味があるということをご存知でしょうか。どちらもお金を借りることには変わりありませんが、それぞれ特徴が違います。

今回はキャッシングの意味と、それぞれの特徴、使い分け方法や気をつけたいことなどについて解説をしていきます。

キャッシングには2つの意味がある

キャッシングとは大雑把に言うと「お金を借りること」という意味なのですが、実は大きく分けて「カードローン」と「クレジットカード」の二つの意味があります。

1.カードローンでお金を借りるという意味

カードローンとは、無担保でお金を借りることができる個人向けのローンです。契約をすると専用のカードが発行され、それを使って提携ATMやCDでお金を借りたり、返したりするようになります。銀行のカードローンだけでなく、消費者金融もこのタイプにあたります。

申込方法は店頭やインターネット、郵送など、色々な方法を選べます。消費者金融でのキャッシングは融資までの早さを売りにしている商品が多く、自動契約機やインターネットなどでその日のうちにキャッシングできるものが多いです。

2.クレジットカードでお金を借りるという意味

店頭やインターネットでの買い物の際に使用できるクレジットカードがありますね。買い物した金額を後で支払いする「ショッピング枠」のほかに、「キャッシング枠」が設けられている場合があります。キャッシング枠は、クレジットカードを作る際に一緒に申込をすることができます。

ショッピングでの1回払いは利息がかかりませんが、キャッシングは利息がかかるのが特徴です。また、利用可能額はカードごとに「総利用枠」として決められているので、ショッピングで使いすぎるとキャッシングで使える金額が減ることに注意が必要です。

今紹介した2つは「カードを使ってキャッシングができる」という点が共通していますが、実は様々な違いがあります。次の項目て詳しく見ていきましょう。

2つのキャッシングの違いは?

カードローンとクレジットのキャッシング(クレカキャッシング)、の違いを確認し、それぞれ実際にどのような場面に向いているのかを見ていきましょう。

クレカとカードローン、どこが大きく違う?

まず大きく異なる部分を、おおまかに説明していきます。具体的に2つのキャッシング方法で異なるのは以下の4つです。

  • 利用可能額
  • 契約から融資までのスピード
  • 金利
  • カードの形態

それぞれ詳しく説明していきましょう。

利用可能額

クレカキャッシングの利用限度額の上限は低め。30万円〜50万円程度が多いです。カードローンは上限が高く、審査や取引次第では高額の融資もできます。

契約から融資までのスピード<.h4>
カードローンの中でも、消費者金融は最短で即日融資が基本です。クレジットカードの場合、利用可能になるまでは数日〜2週間程度かかる場合があります。

金利

カードローンの金利は銀行の場合年3.0%〜15.0%程度、消費者金融は5.0%〜18.0%前後。クレカキャッシングは年15.0〜18.0%と、低い金利での利用は見込めません。

カードの形態

カードローンは専用のカードを使います。クレカキャッシングはクレジットカードを使います。

それぞれの大きな違いをふまえた上で、次はカードローンとクレカキャッシングの特徴を詳しく見ていきましょう。

カードローンの特徴は?

銀行や消費者金融と契約してお金を借りる、カードローンでのキャッシングにはこれから説明する特徴があります。

消費者金融系は契約までのスピードが早い

銀行のカードローンは審査に日数がかかりますが、消費者金融は審査の早さを売りにしています。

自動契約機の営業中に手続きができればその日のうちにカードでキャッシングができます。インターネットでの申込でも、時間帯によってはその日のうちに振込で融資も可能。急いでいる方にはぴったりです。

大型の融資を受けたい人向け!

カードローンは利用可能額の上限が高いことが特徴です。年収をベースに借入可能額が決まるので、年収が高ければ利用できる金額がその分上がります。消費者金融では100万〜300万円、銀行系は500万〜800万円を超えることも。

最初からこの金額を借りられるわけではありません。期日通りの返済を続けることで信用度がアップし、利用可能額が上げられるようになります。

できるだけ低い金利で使いたいならカードローン

クレカキャッシングの金利は高めで、年15.0〜18.0%程度の幅に設定している会社が多いです。一方、銀行や消費者金融の金利を見ると、提示されている幅が広いことが分かりますね。

【消費者金融】
金融機関名 金利
アイフル 年4.5%〜18.0%
プロミス 年4.5%〜17.8%
アコム 年3.0%〜18.0%
【銀行】
金融機関名 金利
みずほ銀行カードローン 年2.0%〜14.0%
三井住友銀行カードローン 年4.0%〜14.5%
三菱UFJ銀行バンクイック 年1.8%〜14.6%
楽天銀行スーパーローン 年1.9%〜14.5%

小額を初めて借りる場合、大半の場合が上限の利息になります。消費者金融は銀行より金利が高めですが、利用可能額が大きいときや、期日通りに返済を続けていた場合は金利が下がります。

また、大手消費者金融には30日間の無利息期間があります。少しでも金利を抑えたいという方はぜひカードローンを選びましょう。

クレカキャッシングの特徴

すでに持っているクレジットカードを使ってお金を借りることができるキャッシングには、これから説明する特徴があります。

カードを増やしたくない人、見られたくない人にぴったり

カードローンを契約すると、一部の場合を除いて専用のカードが発行されます。しかしクレカキャッシングは、ショッピングの時に使うカードでそのままキャッシングができます。

あまりカードを増やしたくない人や、カードを見られることで借入を他人に知られるのが怖い方はクレカでのキャッシングがおすすめ。

利用可能額が小額=使いすぎを防げる!

クレカキャッシングは利用可能額が低めです。ライフカード(キャッシング上限200万円)のように上限が高めの会社もありますが、ほとんどの会社が30万〜50万程度を上限にしています。

利用可能額が少ないと不便、と考える方もいるかもしれません。しかし枠が少ないことで、あまり使いすぎないようにしよう…という気持ちが自然に生まれます。キャッシングを使いすぎたくない方にぴったりです。

枠を作っておくといざという時に便利

出先などで急にお金が足りなくなってしまった、というときはどうしますか?普段使っているクレジットカードにキャッシング枠を付けておけば、万が一の時にクレジットカードでキャッシングができます。

お金を借りる予定はないものの、万が一の時に備えたいという方にはクレカキャッシングがおすすめです。

それぞれには全く異なる特徴があり、自分のライフスタイルに合わせてどちらを利用するか選べます。どんな用途で使いたいのかを考えた上で、上記の特徴からどちらでキャッシングするのか検討しましょう。

2つのキャッシングの審査基準

2つのキャッシングの違いは様々ですが、実際に利用を考えている方が気になるのは審査基準ですね。この章では、それぞれの審査基準を確認していきます。

カードローンの審査基準

カードローンには消費者金融と銀行系があり、会社によって基準は異なりますが、どちらも審査の際に影響する事柄は同じです。

個人信用情報

キャッシングで審査を行う際は必ず個人信用情報を確認します。他社の金融機関で延滞や貸倒をしていたり、債務整理、破産などをしていたりすると異動情報が登録され、5年〜10年の間は契約ができません。

他社の借入状況

個人信用情報では他の会社の契約状況も確認できます。他の金融機関でたくさんお金を借りていたり、複数の会社で利用していると審査に通らない可能性があります。

消費者金融は総量規制の対象で、年収の3分の1を超える金額は借りられません。銀行のカードローンは対象ではありませんが、独自の基準を設けている会社が増えています。

年収・勤続年数や雇用形態

先述の総量規制など、年収は借りられる金額に大きく影響します。年収が高ければ高いほど審査に通る確立は上がります。収入が安定しているほうが貸倒・延滞のリスクが下がりますので、アルバイトやパートよりも正社員、勤続年数は長いほど借りられる金額が上がる可能性があります。

クレカキャッシングの審査基準は?

クレカキャッシングを使う場合には、まずはショッピング用のクレジットカードを申込しなくてはいけません。クレジットカードは、個人信用情報にブラック情報がなければ審査に通る場合がほとんどです。

キャッシング機能は、申込手続きの最中で付けるか付けないかを選ぶことができます。専業主婦など、自分の収入がない方は対象外であることが多いです。

ショッピングと審査は別

キャッシング部分の審査はショッピングとは別に審査を行います。上記のカードローンと同様、個人信用情報の内容や勤務状況、年収などを考慮します。

審査の内容は厳しさは大手消費者金融と同じくらいだとされています。また、クレカキャッシングは総量規制の対象ですので、50万円以上借りる場合は所得証明書類を提示しなくてはいけません。

キャッシングの返済方法、リボ払いと一括の違いは

借りた後に気になるのは返済ですね。キャッシングの返済方法には「一括」と「リボ払い」の2つがあります。よく「リボ払いは金利がすごく高くなる」といわれますが、実際にはどうなのでしょうか。

まずはそれぞれの特徴について確認しましょう。

リボ払いとは?

毎月一定の金額を返していく返済方式です。大半のキャッシングはこの返済方法をとっています。残高によって返済金額が決められていますが、無理のない金額に設定されていますので、負担なく返すことができます。

しかし返済金額が少ないため、完済まで長くかかる場合が多いです。金利は残高にかかり続けるので、返済が長くなると利息が増え、支払いしなくてはいけない金額がどんどん増えていくというデメリットもあります。

一括払いとは?

文字通り、利用した金額と利息を一括で返済する仕組みです。残高が一度に無くなるので、リボ払いのように金利がかかり続けるということがありません。

実際にかかる利息はどれくらいなの?

支払い方法の違いでどれくらい金利に差が出るのか、計算をしてみましょう。

例:10万円をリボ払いにした場合

リボ払いの返済は消費者金融や銀行などの商品ページでシミュレーションができます。実際に10万円を金利15.0%で借り、毎月3000円のリボ払いにした場合のシミュレーションは、

  • 返済回数/44回
  • 支払い総額/130,139円

返済に4年近くかかる上、利息分が3万円を超えることが分かります。

10万円を60日で一括払いにした場合

一括払いの場合、金利の計算は単純です。
元本×金利÷365日×期間(日)で計算ができます。

10万円×15%÷365日×60日=2465.7

支払う利息はリボ払いの利息の10分の1にも達しません。このように、返済方法によって利息がかなり変わってくることがわかります。

できるだけ早めの返済を心がけよう

大きな金額を一括で支払うのは大変ですが、できるだけ一括で返済することをおすすめします。「一括では難しい…」という方は、カードを使って返せるときにどんどん返していくだけでも利息の負担を軽減できます。

オススメの2つの使い分け方法

カードキャッシングとクレカキャッシングには様々な違いがあることが分かりました。それを踏まえたうえで、オススメの使い分けを紹介します。

大きい金額が必要な時はカードローン

クレカキャッシングは限度額が低めで金利も高いです。まとまった金額が必要な場合はカードローンに申込をしましょう。利用限度額が上がれば上がるほど金利が低くなる会社も多いです。

クレカキャッシングは万が一の時用

普段はカードローンのカードを持ち歩きたくない…という方も多いでしょう。財布に入れられるカードの枚数は限られていますし、ローン用のカードはよく見れば会社名が分かってしまいます。

そのような方にオススメなのが、普段使うクレジットカードにキャッシング機能を付与することです。カードの枚数を増やさずに万が一のことに備えられ、キャッシングしていることがバレにくくなります。

すぐ返済できる見込みがあるなら消費者金融系

「もうすぐ収入があるけど、どうしても今お金が必要」と少しだけお金が借りたい人にはカードローンはおすすめです。大手消費者金融のカードローンなら30日間の無利息期間がありますので、金利の負担なくキャッシングができます。

まとめ

「キャッシング」という言葉には2つの意味があります。最後にその意味やそれぞれの特徴を確認しましょう。

「キャッシング」の意味は?

カードローンのキャッシング

専用のカードを使ってのキャッシングという意味。銀行のカードローン、消費者金融がこれにあたります。

クレジットカードのキャッシング

クレジットカードのキャッシング枠を使ってお金を借りるという意味です。

それぞれの利点は…

カードローンの特徴・利点

  • 融資までのスピードが早い(消費者金融)
  • 低い金利で利用できる可能性がある
  • 利用可能額が上がる可能性がある

クレカキャッシングの利点は

  • カードを増やさなくて済む
  • 利用可能額が低めなので使いすぎを防げる
  • 借入がバレにくい

それぞれの特徴を生かし、自分に合った使い方をすることがオススメです。また、両方のキャッシングには共通の注意点もありましたね。

年収による制限がある

消費者金融とクレカキャッシングは総量規制の対象です。銀行にも独自の制限があります。

リボ払いは完済までに日数がかかる

リボ払いは低い金額をこつこつ返済していくので、なかなか完済ができません。一括返済を利用するか、できる限り前倒しで返済をしてきましょう。

以上のことに気をつけ、充実したキャッシングライフを送ってください。